日本郵政グループなぜ異例の格差是正(手当廃止)?理由と問題点は?

日本郵政グループ 手当

日本郵政グループが、正社員のうち約5千人の住居手当を

今年10月に廃止すると公表いたしました。

 

この住居手当は正社員にだけ支給されているもので、

この住居手当を廃止することで、

非正社員との待遇格差が縮まることになります。

ですが、

正社員の待遇を下げて格差の是正を図るのは異例といえます。

 

一般的な考え方からすると、

非正社員の待遇を正社員と同様に扱い

「同一労働同一賃金」を目指すのが通例です。

 

今回の日本郵政グループの異例とも言える格差是正がなぜ行われたのか?

今後廃止される可能性のある手当はなにか?

また、その問題点について解説していきます。

スポンサーリンク

 

なぜ異例の格差是正が行われたのか?

廃止のきっかけは、

日本郵政グループ労働組合の今春闘での要求です。

 

日本郵政グループの社員の半分ほどは非正社員。

非正社員の待遇改善を図る同一労働同一賃金の機運が高まっているとして、

正社員だけに認められている手当を

非正社員にも支給するよう求めたのがきっかけです。

しかし、

会社側の対応の仕方が話題となっています。

 

今回の会社側対応の経緯には、

2017年9月14日に下された判決にあります。

それが、東京地方裁判所言い渡された注目すべき裁判の判決。

 

日本郵便で働く3名の非正規労働者は

正規労働者と同じ仕事をしているにも関わらず、これらの正規労働者との処遇に各方面で格差があるのは、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止を謳っている労働契約法第20条違反である

として日本郵便を訴え、同一処遇を求めました。

その判決内容は、

年末年始勤務手当、住宅手当、夏期・冬期休暇を支給しないのは違法。また、病気休暇が無給であることは違法

と認定。

 

そしてこれらを違法とした理由については、

格差の存在が即不合理だとは言えないが、非正規労働者には全く支給しない、完全無給というのは不合理

としました。

 

この裁判の前例がありますので、

今回、会社側は組合側の要求に応じ、

「年始勤務手当」については非正社員への支給を認めたものの

年末勤務手当は廃止」。

そのうえ、

「正社員の労働条件は既得権益ではない」として、

一部の正社員を対象に住居手当を廃止し、

正社員と非正社員との待遇格差の是正を図るとのことです。

 

では、手当を廃止することに問題はないのでしょうか?

そこで、手当とは何か見ていきましょう。

 

 

基本給に加えて手当をつける主な理由は、

大別すると次のようなものが挙げられます。

  • 役職手当、危険手当、夜勤手当などの職務内容のフォローアップ
  • 残業手当、業績手当などの労働時間の長短や業績に対応
  • 資格手当、出向手当、単身赴任手当などの人事マネジメントのため
  • 家族手当、住宅手当などの暮らしへの配慮

そして、ここでのポイントが、

時間外労働に応じて支払う手当を除いて、

法律で支給が義務付けられている手当はないということです。

 

今回の会社側が提案した住居手当を廃止について、

組合側は本来の意向に沿っていませんので、

当初反対しましたが、

廃止後も10年間は一部を支給する経過措置を設けることで折り合い、

今の支給額の10%を毎年減らしていくといいいます。

 

今回の日本郵政グループの対応は、

法律的に問題ないといえます。

ですが、そこで働く人たちの不満が募る可能性は否めません。

 

今後の廃止される可能性のある手当の種類は?

先ほども説明しましたが、

時間外労働に応じて支払う手当を除いて、

法律で支給が義務付けられている手当はないということです。

 

今回の組合側の要求を受けて、

会社側は、寒冷地手当などの削減への調整に入っているとのことです。

スポンサーリンク

 

異例の格差是正の問題点は?

ネットでも、

日本郵政グループの異例ともいえる正社員の待遇を下げた格差是正について

批判的な意見が多く見受けられます。

というより、

批判的な意見しか見られなかったです。

 

やはり、今回の日本郵政グループの対応は、

法律上問題はないとしても、

働く側からすれば、

まったく納得のいくものではないということです。

 

さらに、このようなことを繰り返せば、

正社員の数は減り、

常に人手不足といった状況に陥りかねません。

 

特に今回の日本郵政グループの対応は、

他の企業にも悪い影響を与える可能性が高いということです。

 

まとめ

今回の日本郵政グループの対応だけではなく、

最近の人事制度のトレンドとして、

成果に関係のない手当は廃止・縮小して、

基本給に一本化する傾向が顕著にあらわれています。

 

ですが、

ここで会社側が考えなければならないことは、

諸手当には

会社は働き手を大切にし、その事情に配慮して

処遇を考えているので、安心して仕事に打ち込んでほしい

といった会社からのメッセージ性が強いものだということです。

 

また、手当を廃止して、

基本給一本の仕事基準を重視した人事制度となると、

昇降格の運用が厳しくなります。

また、

家族手当や住宅手当を廃止すると

残業単価がアップするという統計がとられています。

法律上、家族手当や住宅手当は残業手当の算定基礎に含めなくてよいとはいえ、

正社員と非正社員の格差是正をするために、

手当を廃止するといった判断を下す前に熟考してほしいものです。

 

 

最後までご覧下さりありがとうございました。

スポンサーリンク